Axéの定義を考える①

難しい!?ジャンル分け

 今回はAxé(アシェ)という音楽の詳しい定義について考えていこうと思います。しかし、このAxéというジャンルは比較的現代に近い時期に出てきたこともあり、定義付けにおいて様々な意見や考え方があるようです。その要因としてあげられるのが、音楽ジャンルの融合と進化です。ジャンルを超えたコラボレーションや電子音楽の導入によってカテゴリー分けは非常に難しくさせているように思います。なので、様々な意見を紹介しながらAxéを詳しく見ていこうと思います。

 

 アシェが生まれた背景

 アシェが生まれたバイーアでは1980年頃からのレゲエブームに伴って「サンバ・ヘギ」というスタイルが流行していました。そこに、アフロ・ポップと呼ばれるバイーア風のポップスが国内外でヒットしたことが伏線となって90年代のアシェ・ミュージックのブームにつながっていきます。

 このアシェはバイーアカーニヴァルと密接な関係を持っています。バイーアカーニヴァルは大きく以下の2つに分けられます。

 

○ブロコ・アフロ系:打楽器集団

サンバ・ヘギで有名なオロドゥンや、今はバンド形式で活動しているアラ・ケトゥ(Ara Ketu)、シェイロ・ジ・アモール(Cheiro De Amor)なども当初はブロコ・アフロだった。

 

○トリオ・エレトリコ系:バンド編成でフレーヴォ・バイアーノを演奏する

トリオ・エレトリコとは改造した巨大トラックの上に電化バンドを乗せてフレーヴォ・バイアーノを演奏しながらパレードするスタイルです。今やバイーア音楽界の頂点に立っているシクレッチ・コン・バナナ(Chiclete com Banana)を筆頭に、アザ・ジ・アギア(Asa De Águia)やジャミル(jammil)がフレーヴォ・バイアーノ/トリオ・エレトリコ系の第一人者として挙げられています。

 

それでは、ブロコ・アフロ系とトリオ・エレトリコ系のカーニバルとの違いを見てみましょう。

 

 90年代のアシェ・ブームを牽引したのは初代アシェ・クイーンのダニエラ・メルクリ(Daniela Mercury)、その裏でシーンを盛り上げたのがカルリーニョス・ブラウンと、彼が結成したチンバラーダ(Timbalada)でした。他にもバンダ・エヴァ(Banda Eva)、バンダ・ベイジョ(Banda Beijo)、バンダ・メル(Banda Mel)といったバンドが有名なものとして挙げられます。